Toru Yoshikawa exhibition|Double Happiness 2021年4月29日(木・祝)~5月11日(火)

2021.04.20

テトカでは4月29日(木)~5月11日(火)の会期で吉川徹個展「ダブルハピネス」を開催いたします。
リボネシアのディレクターとして国内外で活躍する吉川徹さんとは、2016年にテトカで開催した、文化屋雑貨点展で知り合いました。それ以来、いろいろな所で意味不明なモノを仕入れの如く購入する吉川徹さんの、あのモノたちはどうしているのかなー?と、思いをはせています。遠出のできないコロナ禍の今、どこか懐かしいアジアの光景に日本の未来を思う、吉川徹さんの見立てをぜひ、ご高覧下さい。

20代の頃アメリカでいい気になってやりたい放題やってた負い目もあって、日本に戻った際に必要以上に社会人としての適合を考えてしまったのがそもそもの間違いだったのかもしれない。軽い誘いに乗って広告業界で働き出したのもその間違いに拍車をかけた。それから四半世紀、クライアントや他人の意向のために身を削ってきた気がするしその事がモヤモヤと僕の中の重しになっている。

“Jack of all trade, master of none”ということわざがある。「なんでも屋は一芸に秀でない」とか「多芸は無芸」とか「器用貧乏」とか、あまり聞きざわりの良い言葉ではないが、そういう種類の人間もまた世の中には必要な存在であることもまた事実。彼ら全てが自己表現を始めたらまとまる話もまとまらない。彼らにとってまとめるべきものは常に自分の「外」にあるのだ。

それに対して作家活動というのは自己表現・発散の行為の究極のカタチ。自分の中身を公にさらけ出す勇気ある行為、または恥ずかしい行為だが、その行為に人はは共鳴したり感動したりする。ここ数年『手と花』を通して様々な自己表現に触れて、自分の「内」を見つめ、さらけ出すという行為の尊さや崇高さへの思いが遅ればせながら自分の内側に膨らんでいる。

コロナ禍の外出自粛が続く中、深圳、香港、澳門、台湾などの私的巡礼地を訪れることができず、昔撮った写真を眺めたり、ストリートビューでひとりバーチャルツアーに出かけたりしていた。写真の中の見ず知らずの人々の生活に思いを馳せると、国家が市民を形成する仕組の中で個人はどこまで個人たり得るかという考えが否応なく頭をもたげてくる。そして、それは翻って自分を取り巻く昨今の閉塞感についても考えざるを得ない状況にたどり着いてしまう。市井の人々のエネルギーや明暗の対比、日常の歪さと同期しながらも独立精神を失わないしたたかさに、現代のバロック的混沌を感じている。  
吉川徹

Profile|吉川徹|Toru Yoshikawa
1964年神奈川県生まれ。80年代に渡米作家活動を始める。90年代に広告会社勤務を経て独立、00年代に英国クリエイティブ集団”TOMATO”の活動サポートを始める。 10年代に自主ブランド”RIBBONESIA”を立ち上げ今年10周年を迎える。20年代に作家活動再開。
21年GW期間に『手と花』で展示(イマココ)
website|https://ribbonesia.com/
instagram|https://www.instagram.com/toruplay/

展覧会概要
展覧会名:Toru Yoshikawa exhibition|Double Happiness
会期:2021年4月29日(木・祝)~5月11日(火)
営業時間: 14:00~20:00(LO19:00)
※ 社会情勢により営業時間が変更になる場合がございます。ご来場の際にはホームページ、snsでのご確認をお願いいたします。
休廊日:水曜日
会場:手と花|TETOKA
住所:東京都千代田区神田司町2-16-8.1F
Tel : 03-5577-5309
※5月1日(土)2日(日)にシルクスクリーンWorkshopを開催致します。詳細はテトカWEBまで。

※緊急事態宣言発令に伴い解除まで、お酒類のご提供は終日中止させていただきます。
何卒ご理解とご協力のほどを宜しくお願い申し上げます。

※換気のため、店舗引き戸を開けた状態で営業しております。
店舗内では、次亜塩素酸水噴霧器にて除菌と加湿に努めます。
入口、店内、トイレに除菌スプレーを置き(手指消毒としてご利用ください)
ご来場いただいた際はマスク着用の上、手指消毒の実施、手洗いや、うがいなど、ご協力を頂けますよう何卒よろしくお願い申し上げます。ご自身の健康と体調に気をつけつつ、無理のない範囲でご来場、ご高覧いだだければ幸いです。