Noa Sonoda solo exhibition「兆光」2022年1月29日(土)~2月13日(日)
2022.01.11
手と花では2022年1月29日(土)~2月13日(日)の会期でソノダノア初の写真展「兆光」を開催致します。
本展示は、2021年に発表した写真集「兆光」に掲載した写真で構成されております。
“兆光” によせて
命が終わろうとしているとき人は走馬灯が回るのを見ると言われているが、実のところ、何かが始まろうとしているときにもそれと似たようなことは起こっている。はじめて訪れた場所や、はじめて会った筈の人に、懐かしさや親しみに似た印象が灯ることがある。私はその感覚のことを、未来から遡上してきた光の合図なのだと捉えている。
例えば、これから住む家を探しているとき。長く暮らしを重ねるにつれてすっかり思い出せなくなってしまうような、はじめて内見した輪郭だけのからっぽの部屋に立っているとき、これから起こる、まだ知る由もないはずの未来に味わい尽くすことになるであろう膨大な出来事や感情、それらが内包する光の気配だけがむせかえるほどに立ち込めているせいで、何もわからないのに眩しくて胸がざわめくような感覚に陥ることがある。それはこの場所に未来が”存在していた”という確かなる兆候なのだ。
体には時間が流れている。それは宿命的に不可逆だ。
そして、体を持つものはみな時間との約束を持っている。やがて終わりを迎えることは不可避だ。
その一方で、意識はタイムレス。有限の体に属しながらも、時間や距離の存在しない無限の空間に浮かんでいる。ここでは過去、現在、未来は海のように不可分だ。
時間の流れに則った体という針を持ってしないとそれらの瞬間にアクセスすることはできないが、どうやら私たちは何も知らないうちからすべてを知っているようなのだ。
未来は光で合図をする。
未来から届くはずなのにどこか懐かしさを帯びた光。
それは、兆しの光。
—— 兆光 ——
私たちはみな多かれ少なかれ日々、無意識的にその兆光をしるべに舵をとっているのではないだろうか。何も特異な力などではなく、何となくいいと思ったから!というような軽妙さで。
ソノダノア|Noa Sonoda
東京生まれ、熊本在住。生活とファンタジーのあいだで撮る写真家。製本、調香、その他の静かなる冒険。インデペンデントレーベルHISSS PRESS運営。
instagram|https://www.instagram.com/noasonoda
twitter|https://twitter.com/sonodanoa
https://linktr.ee/noasonoda
則竹貴子(展示企画)
根子敬生/CIVILTOKYO(main visual design)
展覧会概要
展覧会名:Noa Sonoda solo exhibition「兆光」
会期:2022年1月29日(土)~2月13日(日)
営業時間:14:00〜21:00
※ まん延防止等重点措置に伴い営業時間は14時〜21時に変更いたします。どうぞご理解ご協力をお願いいたします。
ご自身の健康と体調に気をつけつつ、無理のない範囲でご来場、ご高覧いだだければ幸いです。
※ 社会情勢により営業時間が変更になる場合がございます。
ご来場の際にはホームページ、snsでのご確認をお願いいたします。
休廊日:水曜日
会場:手と花|TETOKA
住所:東京都千代田区神田司町2-16-8.1F
Tel : 03-5577-5309
※換気のため、店舗引き戸を開けた状態で営業しております。店舗内では、次亜塩素酸水噴霧器にて除菌と加湿に努めます。入口、店内、トイレに除菌スプレーを置き(手指消毒としてご利用ください)ご来場いただいた際はマスク着用の上、手指消毒の実施、手洗いや、うがいなど、ご協力を頂けますよう何卒よろしくお願い申し上げます。