井出佳美「あいまいばらんす|よその島mansaku」2019年2月1日(金)~2月17日(日)

2019.01.28

テトカでは、井出佳美 個展「あいまいばらんす|よその島mansaku」を開催いたします。お酒の強くない井出さんは、いつもテトカでヘナヘナとニコニコ酔っぱらっています。
スマホの小さな画面で見せてもらった作品群は、アウトサイダーアートの持つ正体不明の空気をまとうノートの片隅の少女漫画のような、子供から少女へと移り変わるほんの短い時間を永遠に留めようとするかのようでした。マティスの一番良い時期の室内風景画との親和性を感じました。アウトサイダーで少女漫画のマティス、井出佳美個展をぜひ、ご高覧下さい。 

ゲシュタルト生成の段階から外界に影響をうけるまでの躍動感やその局面で生じる脱論理こそが子どもの絵の醍醐味ですが、ちょうど20年前に井出さんの絵をはじめて見たとき、こうした子どもの絵のプリミティブな表現に反し、画面構成に隠された美しい放物線、直線、水平垂直によって周到に組み立てられた一定の秩序に目を見張りました。2007年のピアノの練習曲をテーマにした個展では、以前は隠されていた秩序が捨象によってあらわとなりエチュードのリズムと同期するように前面化した一連の作品を見ることで、彼女の鋭利な平衡感覚をふたたび確認することができました。要所でふわっとあらわれる井出さんの平衡感覚が今回のmansakuのものがたりをどうコントロールするのか、それを考えただけでも楽しみな展示です。さすがTETOKA。  ( 都築潤 )

手と花での個展に向けて最初に描いた絵のタイトルは、よその島で咲く「マンサク」。
早春、風になびく黄色いリボンのような花びらが窓から見える。
霊感、直感、神秘、閃き、魔力、不思議、6つ抽象的な花言葉を持つマンサクはよその島のどこかで咲いていると想像すると、次の景色、その向こうの景色と思い描いていく手がかり、背景となっていきました。  ( 井出佳美 )

Yoshimi Ide biography 
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個展 / 2001|ROCKET / 2007|thorn tree gallery
グループ展 / 2016|ギャラリールモンド「得体」/ 2017|Pulp 「得体」大坂巡回展
仕事 / BRUTUS|雑誌表紙  / カソウスキの行方|書籍カバー
m-flo |CDカバー / 昔の女|新国立劇場演劇ポスター

展覧会概要
展覧会名: 井出佳美「 あいまいばらんす|よその島mansaku」
会期: 2019年2月1日(金)~2月17日(日)  

【オープニング・レセプション:2月1日(金)19:00~(作家在廊)】
営業時間:16:00-23:00
休廊日:水曜日
イベントのある日は営業時間が変更となる場合がございます。
TETOKAホームページ、フェイスブックをご確認下さい。
会場:TETOKA
東京都千代田区神田司町2-16 楽道庵1F
Tel: 03-5577-5309
観覧料: 1ドリンクご注文制