「間 | あいだ | すでにあるものといまだないもの。」 Keiji to Kyoji / Kyoji to Keiji 2018年3月31日(土)~4月22日(日)
2018.04.9
© KEIJI ITO×KYOJI TAKAHASHI/2018
TETOKAでは3月31日(土)~4月22日(日)の会期で、「間 | あいだ | すでにあるものといまだないもの。」 Keiji to Kyoji / Kyoji to Keiji を開催致します。
伊藤桂司と高橋恭司の新作と、はじめての試みとなるコラボレーション作品を展示致します。ぜひ、ご高覧下さい。
伊藤桂司と高橋恭司。
同世代のふたりの活動はこれまで、美術作家として、写真家として、これといった具体的な接点を持たないまま、それぞれのフィールドで熟成されてきた。
しかしそれは、おたがいに注目していなかったことを、意味しない。むしろ、その活動は間接的にではあるが、確実に影響を与え合っていた。
伊藤さんの絵が恭司さんの写真のモチーフになるとか、恭司さんの写真が伊藤さんの絵のモチーフになるとか、そうした絡み合いではない。個々にある創作活動の深い部分、アーティストとしての根底に共通した水脈があり、そこから渾々と湧き出る濃密な栄養分をおたがいのなかに取り込み、作品に息吹を与えてきたのである。
そうしたやや抽象的な物言いでしかその関係を表現できないのは、私自身、ふたりと30年前後のつきあいを持ちながら、伊藤さんと恭司さんが、何かについて一緒に語り合う現場を見たことも、聞いたこともないからだ。
たぶんそれは、知り合いの展覧会やパーティなどで、あいさつ程度の短い会話を交わすことはあっても、おたがいに浸食し合うことをよしとしない、そんな距離感を取り続けてきたからではなかったか。
その距離感、すなわちふたりの「あいだ」こそが、今回の展覧会のテーマである。
具体的には、伊藤桂司の作品、高橋恭司の作品、そこには伊藤さんの写真や、恭司さんの絵もあるだろう。そしてふたりのコラボレーション作品、それもどこからどこまでが伊藤さんの手によるもので、恭司さんの手によるものなのか、ボーダレスなおたがいの交通があるのに違いない。
それらを観るあなたは、個々の作品では、自分と伊藤桂司、自分と高橋恭司、それぞれの距離感を自身にリフレクトし、またコラボ作品では、伊藤桂司と高橋恭司の距離感を自身にリフレクトしながら、複雑に絡み合った「あいだ」を見て取ることになるはずだ。
会場には、どんな作品が展示されるか、誰も知らない。
おそらく、伊藤さん自身、恭司さん自身も、オープニング前日まで、知ることはないだろう。
ふたりが、この展覧会に向けて、綿密な連絡を取り合うようなことは、まずない。コラボ作品の素材にしても、ある日おたがいに交換するだけで、以降はそれぞれの領域を侵食しない。それがふたりの基本的な態度であり、こう言ってよければ、倫理だからである。
伊藤桂司も、高橋恭司も、「いまここにあるもの」から「いまここにあろうとするもの」をつくり出すアーティストである。
手許にあるスクラップやエレメントから、コラージュを駆使し、絵を描く。目のまえの風景や人物にカメラを向け、ほとんどないに等しい瞬間を半ば永遠に定着させる写真を撮る。
すでにあるものといまだないもの。
その「あいだ」につくられた作品を、これからあるものにしていくのは、誰でもないあなた自身、展覧会を観る者の特権である。
自分と世界の「あいだ」を、ぜひ、発見しにいらしてください。もし興味を持ったら、伊藤桂司と高橋恭司それぞれに、そして一緒に、話を聞くトークショウも予定しています。では、裏の公園の桜の満開のころ、神田TETOKAで、お待ちしています。
(久米泰弘|書籍編集者)
__________________________________________________________
【Talk Show 】
・伊藤桂司トークショウ「すでにあるものといまだないもの。」
4月6日(金)19:00~ 入場料1,200円(1ドリンク付)
・高橋恭司トークショウ「すでにあるものといまだないもの。」
4月13日(金)19:00~ 入場料1,200円(1ドリンク付)
・伊藤桂司×高橋恭司トークショウ「伊藤桂司と高橋恭司の『あいだ』」
4月20日(金)19:00~ 入場料1,500円(1ドリンク付)
聞き手:久米泰弘(書籍編集者)全3回通し券3500円
伊藤桂司 Keiji ITO
1958年生まれ。美術作家。UFG代表。
79年、伝説の自販機雑誌「Jam」でデビュー以降、広告、書籍、音楽関係のアートディレクション、グラフィックワーク、映像等を中心に幅広く活動する。99年、ニューヨークADC金賞。2001年度東京ADC賞。
作品集に『MOTORWAY』、『FUTURE DAYS』、『ROOM-GRASS-FOREST』、『SUPERNATURAL』、『LA SUPER GRANDE』など多数。
http://site-ufg.com/
©KYOJI TAKAHASHI/2018
高橋恭司 Kyoji TAKAHASHI
1960年生まれ。写真家。80年から写真を撮りはじめる。
ディアドルフ8×10で撮った欧米の風景写真はさまざまな広告で使用され、多くのフォロワーを輩出する。
2000年、商業メディアにおける活動を休止するも、16年、作品集『渋谷』の出版を機にふたたび活動を再開する。
作品集に『THE MAD BROOM OF LIFE』、『STRAIGHT PHOTOGRAPHS』、『ROAD MOVIE』、『Takahashi Kyoji』、『Life goes on』、『彩宴』、『煙影』、『流麗』、『飛伝来』、『艶身』など多数。
http://kyojitakahashi.com
©KYOJI TAKAHASHI/2018
展覧会概要
展覧会名:「間 | あいだ | すでにあるものといまだないもの。」 Keiji to Kyoji / Kyoji to Keiji
会期:2018年3月31日(土)~4月22日(日)
★オープニング・レセプション:3月31日(土)19:00~
営業時間:16:00-23:00
休廊日:水曜日
イベントのある日は営業時間が変更となる場合がございます。
TETOKAホームページ、フェイスブックをご確認下さい。
会場:TETOKA
東京都千代田区神田司町2-16 楽道庵1F
Tel: 03-5577-5309
観覧料: 1ドリンクご注文制