辛酸なめ子・中ザワヒデキ「n次元」 2015年6月6日(土)~6月21日(日)
2015.06.1
TETOKAでは、2015年6月6日(土)から6月21日(日)の会期で、辛酸なめ子と中ザワヒデキによる二人展「n次元」を開催いたします。
辛酸なめ子は、1974年東京都生まれ、武蔵野美術大学短期大学部グラフィックデザイン専攻卒業。柔らかい文体と相反したシニカルな視点と画風を持ち味に、漫画家、文筆家として、雑誌やテレビ、ウェブサイトなどを中心に活躍しています。その一方、人間の内面、精神世界をモチーフとしたアートワークを数多く制作し、これまでにミヅマアートギャラリー(2003年)、無人島プロダクション(2008年)、森岡書店(2010年)等で積極的に発表してきました。辛酸は自身の煩悩をなくすことを目標に、2010年より瞑想を日課とし、毎日かかさず続けています。瞑想中には、舟から手を振る人々、穴から出入りする少女、沼に現れたネッシー、椅子に腰掛けた僧侶、歩くパワーストーンなど、不思議なモチーフや風景がまぶたの裏側に突然現れる、と辛酸は言います。本展では、瞑想中に意識の奥から浮かび上がってくる図像を描いたスケッチやペインティング「瞑想画」を発表いたします。
中ザワヒデキは、1963年新潟県生まれ。千葉大学医学部卒業後、眼科医として勤務した後に、1990年よりヘタうまCGイラストレーターとして活動し、1997年に純粋芸術へ転身。以降、多彩な経験で培われた構造、数学などの理系知識と、デジタル技術、グラフィックスなどの手法を連携した作品を制作しています。中ザワの作品に見られる規則正しい手法への固執は、色彩の快楽の否定へと繋がり、彼が名付けた「方法主義」という新たな動向を日本の現代美術界にもたらしました。代表作である「方法絵画」、「灰色絵画」、「脳波ドローイング」、「セル」などからも伺えるように、既存の芸術の手法には頼らず、常に新たな表現方法、手段を提示し続けている美術家です。本展では、1990年から1996年にかけて2Dビットマップ・ペイントソフトを駆使して描いた「バカCG」を元に、ピクセルのジャギーこそがデータに忠実なフェティッシュであるとし、新たに2010年以降に展開した「アンチアンチエイリアシング」シリーズを出展いたします。
学生時代に辛酸が中ザワのアシスタントをして以来、これまで20年以上の付き合いの二人ではありますが、今回が初の二人展となります。開催に先立ちまして、前夜の6月5日(金)には、アーティストを囲みオープニング・レセプションを開催するほか、会期中には本展だけの特別トークイベントを開催いたします。ご多忙の折とは存じますが、本展を皆様にご高覧頂ければ幸いです。
(企画:Yu Murooka)
展覧会概要
展覧会名:辛酸なめ子 中ザワヒデキ「n次元」
会期:2015年6月6日(土)〜6月21日(日)
[オープニング・レセプション 6月5日(金)19:00〜22:00 作家来廊]
[関連イベント1:「バイト日記リターンズ」6月12日(金)19時開場・19時30分開始(先着順定員30名、1,000円・1ドリンク付)]
1993年から約3年間、中ザワの元でアルバイトをしていた辛酸が、他のバイト仲間とともに学習帳につづった「バイト絵日記」。約20冊もの日記を元に、あんなことやこんなこと、盛りだくさんの思い出(黒歴史)を振り返るほか、辛酸や中ザワの往年のフロッピー作品を当時のマシンで再生しながら大トーク!
[関連イベント2:「先見ゼミリターンズ」6月20日(土)18:30開場・19時開始(先着順定員30名、1,000円・1ドリンク付)]
1990年代にも、SNSの先駆はあった!
1994年〜96年にかけて、タイガーマウンテンネット上で、辛酸が赤ペソ先生、中ザワが黒ペソ先生としてパロディ通信添削を行った「先見ゼミ」。タイガーマウンテンネットが滅亡した現在、カラフルな文字で書かれた、赤ペソ先生と生徒たちのやりとりを、当時のマシンで再現。インターネット前夜の東京に存在したヒップカルチャーを、クレイジーにトーク!
営業時間:16:00〜23:00
休廊日:水曜日
イベントのある日は営業時間が変更となる場合がございます。
TETOKAホームページ、フェイスブックをご確認下さい。 会場:TETOKA
東京都千代田区神田司町2-16 楽道庵1F
Tel: 03-5577-5309
URL:https://tetoka.jp/wp/
協力:GALLERY CELLAR、有限会社アロアロインターナショナル
企画:Yu Murooka