Masato Takahashi – a.k.a. buna solo exhibition 「Indra’s Net Ⅱ」- Where numbers fail, art begins – 2025年5月17日(土)〜6月1日(日)

2025.05.5

手と花では2025年5月17日(土)〜6月1日(日)の会期で Masato Takahashi – a.k.a. buna solo exhibition 「Indra’s Net Ⅱ」- Where numbers fail, art begins – を開催いたします。

Indra’s Net は、古代インド哲学の「インドラの網」という概念に着想を得た作品シリーズです。互いを映し合う宝石が無限に広がる網。一つを見れば、すべてがそこに映っている。すべての存在は、つながりの中で影響を与え合いながら存在しているという、東洋的な世界観を象徴しています。

しかし、現代では、そのつながりの感覚が薄れ、私たちは切り離され、ただ漂っているようにも感じられます。人類は、自然を征服できるかのように振る舞い、まるで、ひとりで生きているかのような傲慢さと盲目さに覆われ、深い孤独感のなかを彷徨っています。

それでも、自分の小さな言動が、静かに世界のどこかに波紋を広げていくことを信じたい。私の作品は、そうしたつながりを静かに思い出すための、ひとつのきっかけとなることを願っています。

(Exhibition Concept)

───もっと光を。
このゲーテの最期の言葉とされるその一節に共鳴しながら、今の自分を重ねています。

「深淵に浮かぶ月」は、2019年に私が開催した個展のタイトルです。
自己の深化を目指し、深淵に沈みながらも、微かな光を見いだした自分を表した言葉でした。

深淵に沈む中で、私の心に残ったのが、心理学者ユングの言葉です。
「光を探す者は、まず闇を見つめなければならない」と彼は語っています。
陰の部分と向き合うことでしか、人は本当の意味で自己になれないのだそうです。

その姿勢は、東洋にも通じています。
仏教には「背暗光向」という言葉があります。
陰を背負いながら、それでも光の方へ向かっていく。
私にとっての制作は、まさにその行為にほかなりません。

(Artist Statement)

Masato Takahashi – a.k.a. buna

90年代後半よりアーティストとして活動を開始。2001年に渡英し、アジア的アイデンティティと向き合いながら、東洋思想や仏教的世界観への関心を深める。10代から影響を受けた70〜90年代のパンクカルチャー、そして政治や心理への関心を背景に、精神的な軸を培ってきた。
2005年以降は“buna”名義で活動を展開。新自由主義的な価値観や大量消費に抗し、自然との共生を象徴する存在を志す。アンダーグラウンドのエレクトロニック・ミュージックを軸とした音楽イベントの企画・運営やDJ活動、さらに国内外のレコードレーベルのアートワークも手がけてきた。ロンドン、バルセロナなどでの個展や、Art Basel Miamiのサテライト「Aqua Art Miami」など、国際的な展示にも多数参加している。
2024年より本名での制作を本格化。「光」を軸に、精神の空洞化や社会と個の関係を主題とした抽象作品を展開。現代社会における精神性の喪失や空白への問いかけを根底に据え、東洋的価値観を手がかりに、精神の深層に触れるような表現を探っている。

WEB : http://www.bunaism.com

Instagram : @a.ka.buna

展覧会名:Masato Takahashi – a.k.a. buna solo exhibition「Indra’s Net Ⅱ 」- Where numbers fail, art begins –
会期:2025年5月17日(土)〜6月1日(日)
営業時間:16:00-22:00
休廊日:水曜日
会場:手と花|TETOKA
住所:東京都千代田区神田司町2-16-6.1F
Tel:03-5577-5309
※会期中のイベントなどの詳細は手と花SNSよりご確認ください。