うつゆみこ「い た し か た」2012年6月26日(土)~7月11日(日)

テトカでは6月26日(土)~7月11日(日)の会期で、うつゆみこ個展「い た し か た」 を開催いたします。

1997年、ガーリーフォトブームに乗って、日芸写真学部への入学を志望していた私は、記念受験で合格してしまった早稲田に家族の勧めで入学した。サークルで写真のことをするのが楽しくて、授業に出ずに暗室をしたり展示の準備をしたり。4年経っても単位が足りず退学してしまった。私は学問ではなく写真がしたかったのだ、いたしかたなかった。そしてすぐに写真のカルチャースクールに通った。

2003年、撮影スタジオに勤務していた。入りたての頃は、自分もカメラマンになれるのではと勘違いしていた。しかし沢山のカメラマン、先輩を見る内に、自分にはセンスが無いことに気がついた。また人から頼まれた写真を撮る中で、自分の撮りたい物しかまともに撮れないことにも気がついた。気持ちが動かないと撮れないのだ。いたしかたなくカメラマンになろうなどという野望は捨て、自分の撮れる物に専念することにした。

2007年、ひとつぼ展のグランプリ個展のために作った600個の額は、手をかけた分だけ可愛くて、捨てることも売ることも出来ず、トランクルームや家の物置を行ったり来たり。いたしかたなくこのまま一生を共にするのか。それから15年経っても作品は増えていく一方、恐ろしい。

2010年、お互いマイペースで10年間ゆるゆるお付き合いをしていた人と別れて、猛アタックしてきた公務員の男性と結婚した。写真も続けたかったし子供も欲しかったが、自分でお金を稼ぐ能力も気力も無かった。お金が無いのはやりたいことしかやらない自分のわがままからで、いたしかたなかった。結婚生活が次第にうまくいかなくなったのは、子供のことを第一優先にせず、写真を同等の順位で続ける私のせいなのだろうか。

2011年、第一子妊娠中、大量に物を並べて世界の創造主ごっこをした、タイトルも未だまともについていない大きな作品を撮った。再びこのようなボリュームの作品を作りたいと夢見ているが、母になった私の時間はブツブツと細切れで、集中して作る時間は未だ戻らない。いたしかたないが、中途半端にしか集中できないままで、それでも作品を増やし続けている。

2014年、第二子を出産し、小さい時のムチムチ感を残したくて、生後3ヶ月の赤子にとても可愛いく緊縛ごっこをした写真を撮った。一切無理はさせていないので大丈夫かと思ったが、夫に児童相談所に電話され、何度か児童相談所の方と面談した。確かに今考えると問題のある作品だったかもしれない、相談されたのはいたしかたなかった。私は長年グラビアのアシスタントをし、ジュニアアイドルの撮影現場にも足を運んでいた。知らず知らずの内に感覚が麻痺していたのだろうか?

2020年、2人の娘を連れて、台湾で一月の滞在制作をした。コロナウィルスが広まりつつある日本からの渡航者ということで、二週間の自主隔離中あまり出歩けず、スタジオに籠って制作していた。娘たちはスタジオ内を駆け回って機材を壊したり、しょっちゅう喧嘩をしたが、いたしかたなかった。自主隔離が明けた後は、私はワークショップや展示の準備でてんやわんやで、子供たちは大学生に遊びに連れて行ってもらい、言葉は通じないがとても楽しそうだった。これからも娘たちを楽しく振り回していきたいと思っている。

2021年現在、私の生活も制作もいたしかたないことばかりだ。子供達は私を甘く見てあまり言うことを聞いてくれない。作品の売り方が分からず全然売っていない。デジタルで制作しているのだが、あまりにも機械音痴で全く使いこなせていない。教室やワークショップを次々に企画するものの、集客できずにことごとく潰している。ジンとTシャツの在庫を捌けず大量に抱えている。次から次へとやりたいことをやり続けるので、部屋がいつまでも片付けられない。子供も同じく散らかすので家中ぐちゃぐちゃだ。コロナの収束にはまだ時間がかかりそうだ。夫とは離婚の裁判中だ。

いたしかたないことが沢山ありながら、グズグズ悶々としながらも、それでもどうにかしがみついて小さな自己模倣のような写真を撮り続けるのが、私の制作、生活のいたしかたなのかな、と最近は諦めつつも、子供が巣立って制作に集中できる日が来ることを心待ちにしている。
(うつゆみこ)

うつゆみこ|utsuyumiko
1978年東京生まれ。早稲田大学第一文学部中退。東京写真学園写真の学校修了。
 
<フェア>
2019 「Tokyo Art Book Fair」(東京)
2012 「unseen」(オランダ)
2009 「Paris Photo」
2008 「Paris Photo」(フランス)
2008 「Daegu Photo Biennale」(韓国)
2008 「China Pingyao International Photography Festival」(中国)
 
 <個展>
2021 「タイトル未定」(東京)
2021 「いたしかた」(東京)
2021 「ひととり」(東京)
2020 「ネタ帖 花蓮 瑠美衣さん」(東京)
2020 「From little, With little, For little」(台湾)
2020 「母が脳出血で倒れた同時刻に私は初めてのメスでピンクマウスの頭蓋骨を貫通させた」(東京)
2019 「はっぱ はっっぱ はっっっぱ」(東京)
2018 「ざくざく ばらばら んんんん…」(東京)
2016 「fish farm house」(東京)
2013 「世界」(東京)
2011 「オープンハウス」(東京)
2011 「ばらまど」(東京)
2010 「はこぶねのそと2」(東京)
2009 「はこぶねのそと」(東京) 
2008 「ぞ わ わ」(ハンガリー)
2007 「なまなま」(東京)
2006 「どうぶつまつり」(東京)
 
 <主なグループ展>
2021 「Wandering Curiosities」(フランス)
2021 「タイトル未定」(石川)
2019 「Objets Rêvés」(フランス)
2019 「Garage Sale」(東京)
2017 「アーホ!展vol.2」(東京)
2017 「fotofestiwal」(ポーランド)
2016 「瀬戸内国際芸術祭」(小豆島)
2014 「anima on photo」(オランダ)
2012 「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #」(東京・フランス)
2011 「Internalized」(リトアニア)
2010 「Le bestiaire imaginaire L’animal dans la photographie, de 1850 à nos jours」(フランス)
2009 「SECRET PHANTOM II」(東京)
2009 「THE EXPOSED #4」(大阪)
2008 「THE EXPOSED of the art vol.3」(大阪、東京)
2007 「THE EXPOSED of the art vol.2」(大阪、東京)
2007 「SECRET PHANTOM」(東京)
2006 「WORM HOLE episode 4」(東京)

【主な賞歴】
2006 第26回写真『ひとつぼ展』グランプリ受賞
2005 第25回写真『ひとつぼ展』入選
 
【主なコレクション】
サーチギャラリー
ジャン・ピゴッチ
 
【写真集・ジン】
2021 『Charming Charms』 『SKIN MUSCLE BONE』 『あにまのあいま』 『Iruma&Mioko’s Cabinet Of Curiosities』『瑠美衣さんの人体模型』
2020 『Nishikoyama』 『OCTOPUS』 『Father’s Turtle』 『Baby Mice Are Dreaming Day And Night』 『Fallen From Heaven』 『花蓮白日夢』
2019 『PORTRAIT』 『GROUP PHOTO』 『COFFEE BOY』 『くものいと』
2018 『ばらまど』
2010 『うつつのゆめ』
2009 『はこぶねのそと』

website|https://www.utsuyumiko.net/
twitter|https://twitter.com/utsuyumiko
instagram|https://www.instagram.com/utsuyumiko/

【関連イベント】
ポートレイト撮影(作家在廊日に開催)
1カット3,500円/2カット5,000円
撮影時間15分程度
衣装あり、骨や植物の小物あり
撮影データはメールでお渡し

展覧会概要
展覧会名:うつゆみこ「い た し か た」
会期:2021年6月26日(土)~7月11日(日)
営業時間: 14:00~20:00(LO19:00)
※ 社会情勢により営業時間が変更になる場合がございます。
ご来場の際にはホームページ、snsでのご確認をお願いいたします。
休廊日:水曜日
会場:手と花|TETOKA
住所:東京都千代田区神田司町2-16-8.1F
Tel : 03-5577-5309

※まん延防止等重点措置に伴い解除まで、お酒類提供は19時までとなります。
※換気のため、店舗引き戸を開けた状態で営業しております。店舗内では、次亜塩素酸水噴霧器にて除菌と加湿に努めます。入口、店内、トイレに除菌スプレーを置き(手指消毒としてご利用ください)ご来場いただいた際はマスク着用の上、手指消毒の実施、手洗いや、うがいなど、ご協力を頂けますよう何卒よろしくお願い申し上げます。ご自身の健康と体調に気をつけつつ、無理のない範囲でご来場、ご高覧いだだければ幸いです。

2021-07-07 | Posted in Exhibition, NewsNo Comments »